満月

今年は中秋の名月を撮影できませんでした.10月30日も満月なので撮影しました.

Canon 60D, EF 70-200 mm F4L IS, 200 mm, F8, 1/800

加速度の積分

加速度を2回積分すると変位を得ることができます.しかし,加速度センサで計測した加速度を2回積分して変位を得ることは困難です.加速度センサの出力に,わずかでも直流成分や極めて低い周波数のノイズが混じっていると,それらが積分されて計算で得られる変位に大きな影響を及ぼします.生体医工学の分野ではヒトの活動量を計測するために加速度センサを体に装着して2回積分して移動量を求めるための補正方法などが研究されています.加速度を積分して変位を求める研究は,地震の分野で様々な計算方法(フィルタ)が提案されています.

研究室では筋音の計測に,加速度センサ,レーザ変位計およびコンデンサマイクロフォンを使用しています.コンデンサマイクロフォンでは皮膚の変位を計測できることが知られています.レーザ変位計には計測部をヒトに装着しないので体動の影響を受けやすい,コンデンサマイクロフォンには空気室が必要で小さくできない短所があります.加速度センサは小型で皮膚に貼付けることができます.加速度センサで変位を求められれば応用範囲が広がります.

下図のAは,加速度センサで計測した筋音です.0.6 s毎に電気刺激を加えて収縮を誘発し,そのときの筋音を計測しました.このデータに零を適切に付加してフーリエ変換し,-\omega^2で割って逆フーリエ変換して時間領域に戻すと,Bを得ます.直流は取り除いてありますが,とても低い周波数の成分が残っています.これを適切なフィルタで除くと,Cになります.筋音では,変位は刺激後に刺激前の値に戻ります.地震の分野において加速度から変位を求める問題よりはずっと易しい問題です.

振動計測において,一般的に低周波数成分には変位センサが,高周波数成分には加速度センサが適していることが知られています.また,数値積分や数値微分で物理量を変換する場合には,様々なことに注意が必要です.当該物理量を直接計測できるセンサを利用できるのであれば,それを利用する方が数値計算よりよい結果になります.

先日,Medical & Biological Engineering & Computing にacceptされた論文でも,数値微分や数値積分で加速度や変位も求めています.それらは,加速度や変位を直接計測したものと完全に同じにはなりませんでした.

Medical & Biological Engineering & Computing

篠原の修論の内容をまとめた論文,Comparison of displacement and acceleration transducers for the characterization of mechanics of muscle and subcutaneous tissues by system identification of a mechanomyogram が Medical & Biological Engineering & Computing にacceptされました.

筋音の計測に用いられるレーザ変位計と加速度センサについて,筋と皮下組織の力学特性をシステム同定によって調べるときのセンサとしての特性を明らかにした論文です.

オリオン座流星群

10月21日がピークになるようですが,前日に30分位,撮影を試みました.残念ながら,流星そのものは撮影できませんでした.下の写真で中央のやや上に曲線がみえると思います.これは流星痕です.

下の写真は,3秒に1回,露光時間を2秒にして撮影した写真を500枚弱合成したものです.

句読点

理工学系の学術雑誌や専門書では,句読点に「,.」を使うことが多いと思います.当研究室でも「,.」を標準的に使っています.手元の学会誌では,日本生体医工学会,電子情報通信学会,計測自動制御学会,バイオメカニズム学会,応用物理学会,機械学会が「,.」です.

文化庁のweb pageには,参考資料として「くぎり符号の使ひ方」(PDF)があります.8ページに,横書きでは「,。」で示されています.例えば,高校迄の教科書では,「,。」が使われています.理工学部の入試問題も「,。」です.ただし,「くぎり符号の使ひ方」では「普通には,ピリオドの代わりにマルをうつ」なので,ピリオドが使えないわけではありません.手元の学会誌では電気学会が「,。」です.

1959年に自治省が「左横書き文書の作成要領」で「、。」としたことがあるらしく,それは「くぎり符号の使ひ方」と矛盾します.

JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)では,区切り符号として,「。」,「,」,「・」,「:」を使うことが記されています.

2010年に内閣訓令第1号「公文書における漢字使用等について」が発令され,「3 その他」では,昭和56年10月1日付け内閣閣第138号内閣官房長官通知別紙の同日付け事務次官等会議申合せに記載されていた「1及び2以外の事項は,「公用文作成の要領」(「公用文改善の趣旨徹底について」昭和27年内閣閣甲第26号依命通知)による。」が削除されています.しかし,「公文書における漢字使用等について」では「,。」が使われています.

個人的には,理工系の文章では和文と欧文が混在することが多いので,「,、」や「.。」の使い分けに悩むことがなく,両方が混在する見栄えの悪さを避けることができることから「,.」を使います.PCで文書を作成する場合には,input methodの句読点の設定を変更しなければ「、。」が標準値ですから,横書きでも世の中に「、。」があふれているのは無理からぬことかと思います.

プレゼンテーション技法発表会

プレゼンテーション技法の発表会が開催されました.

内容は,卒業研究の中間発表会に相当するものです.発表時間は10分で質疑応答は5分です.物理情報工学科の研究内容は多分野に広がっているので,聴衆の学生にはもちろんですが,専門外の教員を対象として発表を構成する力を問われます.学会発表ではありませんから専門的な内容に突っ走っても評価は低くなりますし,あまりにも稚拙な内容でも評価は低くなります.

学生は発表要旨をA4サイズで1枚にまとめます.学会の予稿などのように構成し,内容が多すぎず少なすぎずにならないように注意します.学生が3年生までの実験レポートをどのように書いていたか,また指導教員がどのくらい指導をしたかが現れています.

肩こり研究会

大阪中之島のエーザイで開催された,日本整形外科学会の一般向け教育研修会として認定されている第8回肩こり研究会で「押し込み反力計測による筋硬度の評価」と題して講演しました.当研究室で開発した小型デジタル筋硬度計に興味を持っていただいて呼んでいただいたようです.もう一人の講演者が,筋硬度の指標の内,体育研究所の村山教授との共同研究で用いている指標が述べられているHorikawa M, Ebihara S, Sakai F, Akiyama M., Med Biol Eng Comput. 1993, 31 (6), 623-7, Non-invasive measurement method for hardness in muscular tissuesの著者の一人,埼玉精神神経センター,埼玉国際頭痛センター長,埼玉医大客員教授の坂井文彦先生とは思いもよらず,びっくりしました.