句読点

理工学系の学術雑誌や専門書では,句読点に「,.」を使うことが多いと思います.当研究室でも「,.」を標準的に使っています.手元の学会誌では,日本生体医工学会,電子情報通信学会,計測自動制御学会,バイオメカニズム学会,応用物理学会,機械学会が「,.」です.

文化庁のweb pageには,参考資料として「くぎり符号の使ひ方」(PDF)があります.8ページに,横書きでは「,。」で示されています.例えば,高校迄の教科書では,「,。」が使われています.理工学部の入試問題も「,。」です.ただし,「くぎり符号の使ひ方」では「普通には,ピリオドの代わりにマルをうつ」なので,ピリオドが使えないわけではありません.手元の学会誌では電気学会が「,。」です.

1959年に自治省が「左横書き文書の作成要領」で「、。」としたことがあるらしく,それは「くぎり符号の使ひ方」と矛盾します.

JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)では,区切り符号として,「。」,「,」,「・」,「:」を使うことが記されています.

2010年に内閣訓令第1号「公文書における漢字使用等について」が発令され,「3 その他」では,昭和56年10月1日付け内閣閣第138号内閣官房長官通知別紙の同日付け事務次官等会議申合せに記載されていた「1及び2以外の事項は,「公用文作成の要領」(「公用文改善の趣旨徹底について」昭和27年内閣閣甲第26号依命通知)による。」が削除されています.しかし,「公文書における漢字使用等について」では「,。」が使われています.

個人的には,理工系の文章では和文と欧文が混在することが多いので,「,、」や「.。」の使い分けに悩むことがなく,両方が混在する見栄えの悪さを避けることができることから「,.」を使います.PCで文書を作成する場合には,input methodの句読点の設定を変更しなければ「、。」が標準値ですから,横書きでも世の中に「、。」があふれているのは無理からぬことかと思います.